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不完全燃焼、恋愛模様 「いて……」 汐屋から完全に見えない場所に来ると、千歳は大きなため息を吐きながらその場にへたり込んだ。 さっき頭を掻いた時に怪我の跡を引っ掻いてしまい、ヒリヒリする。 なんか知らんけど、泣きそうーーー 「何しとんねん、千歳」 「ーーーはあ。よりによって一番会いたくなかヤツに、なんで会いたくなか時に見つかるかね」 「はあ? どういう意味や」 「そのまんまの意味たい」 ジロリと睨むその先に、相変わらず綺麗な顔で白石が立っていた。 「さっき汐屋と話してたやないか。あれから何か聞けたんか?」 「……その役、お前に任せるたい。俺には無理やけん」 「何言うてんねん。お前が聞かんで俺が聞いてどないすんねん」 苛立ちを覚えた千歳はゆっくりと壁にもたれたまま立ち上がる。 「俺じゃあ出来んったい」 「あ、おい、千歳」 吐き捨てるように言って千歳は白石の横を通り抜けた。 さっきから逃げてばかりだ。 「何や、あいつ……何かあったんか」 あんな風に苛立つ千歳を見たのは初めてだ。 千歳の寂しそうな後ろ姿を見つめると、白石は当たりを見渡しはじめた。 そして千歳が消えたのと反対方向へ歩き出し、自身の教室の前の廊下で目的の人物の後ろ姿を見つけると肩を叩く。 「汐屋」 「え? あ、白石君」 こちらを振り向いたのは汐屋だった。 「ちょっとええ?」 「あ、うん。私も白石君に用があったから、丁度良かった」 「ほんならあっちで話そか?」 そう言って二人は歩き出した。 千歳は意気消沈のままとあるクラスに向かっていた。 そこは例のハンドタオルを貸してくれた女子のいるクラスだ。 昨日買ったタオルを渡そうと思い、そこへ向かう途中で汐屋を見つけたのだ。 カサリとラッピングされた可愛らしい袋を握りしめ、肩を落とす。 別にプレゼントという訳ではないので店でも普通に自宅用として買って帰ったのだが、家で妹と母親にお揃いのタオルをあげた事から借りたタオルの話しになり、それなら綺麗にラッピングした方が喜ばれるからと、二人に勝手に可愛く飾られてしまった。 少し恥ずかしいとは思ったが、妹と母親が楽しそうにしているのを見て強く言えなかったのだ。 そんな優しさが千歳の良い所でもある。 が、おかげで随分と夢とロマンの詰まったラッピングに仕上がってしまった。 「あ、千歳君!」 教室の入り口から中をのぞいた瞬間、目当ての少女が駆け寄ってきた。 「ああ、丁度良かった。これ」 「えっ?」 「この前借りたタオル、血で駄目にしたけん代わりのヤツ」 「そんなん気にせんでええって言うたのに」 「そういう訳にはいかんやろ? ありがと、助かったばい」 「全然! あっ、怪我は大丈夫なん?」 「ああ、ちっと毛ば剃られたけんみっともなかけど、もう傷は塞がっとるよ」 「そうなん? 良かった~。皆心配しとったんよ」 「えらい派手にぶつかったけんね。それじゃ」 「あっ、ちょっと待って!」 「何?」 用事が済んだので自分の教室へ戻ろうと体を反転させた所で、少女が千歳の腕を掴んだ。 「あ、あの……」 恥ずかしそうに顔を赤くする少女。 もしやとは思ったが何も言わず、黙って千歳が首を傾げていると、少女の後ろに立っていた友人が少女の背中をつつく。 「麻美頑張り。勇気出すんや」 「大丈夫やって」 少女は友人達に急かされ、ぱっと千歳を見上げて言った。 「あ、あんな! 今日の放課後、部活が終わってからでええねんけど、ちょっと話ししたいねん!」 「うん」 「せやから、部活終わったら門の所で待っててくれる?」 「……別によかよ」 「ほんとにっ!?」 目を丸くさせる少女。 「ああ。話しがあるっちゃろ?」 「うんっ!」 「じゃあ」 「うん、またな!」 予想は的中した。 女の子が顔を赤くして話しがあるという場合、十中八九告白だ。 少女と別れて千歳は自分の教室へ戻る。 その途中、廊下を歩きながら先ほど汐屋と一緒にいた裏庭に目を向ける。 もうすぐ昼休みが終わる時間なので裏庭に人影はなかった。 すでにいない汐屋の輪郭を思い浮かべながら、ため息を吐く。 白石、か…… 手紙が引っかかっていた木の葉っぱが風で静かに揺れている。 汐屋の好きな人物を知った瞬間、千歳は勝てないと思った。 テニスの実力は五分かもしれないが、白石から自分へ汐屋の心を向けさせるほどの何かを、自分は持っていない。 顔では完全に負けているし、優しいとよく言われる千歳に負けず、白石も優しい。 女の子からの人気は自分もそこそこある方だとは思うが、積極的に女の子と交友を持とうとしない千歳の恋愛経験は無いに等しかった。 それに女の子と遊ぶよりもテニスをしている方が楽しいし、別に彼女がいるヤツを羨ましいと思った事も無かった。 第一部活が忙しくて彼女を作っている暇など無い。 同じように部活をしている連中から聞かされる彼女の話しは、部活と私のどっちが大事なの。などという返答に困る質問をされてケンカになったというものばかり。 そんな面倒くさいことに時間を取られるくらいなら、やはりテニスに打ち込んだ方が遥かに有益だと思っていた。 だが、今回ばかりはさすがの千歳もヘコんでいる。 自分の好きな子は、自分の友達を好きなのだ。 しかも全く気付かなかった。 考えれば考えるほどマイナス思考が広がって、午後の授業を受けた記憶もないまま、気付けば部活の時間になっていた。 千歳は重たい体を引きずり、部室へと向かった。 続く… お読みくださり、ありがとうございます。 まさかの展開。どうする、千歳。でございます。 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.11
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melocotonのホームページ兼wikiにようこそ ここにギルメン集合SSを載せたい こちらはトキメキファンタジーラテールのサファイア(青鯖)で活動開始している「melocoton」のホームページ兼ギルマスのメモ場となっています 初めましての方はギルドルールからお願いします ラテール公式募集はこちら メニュー詳細(全体的に工事中) トップページ:ここです ギルドルール:ギルドルールやこのHPの事があります メンバー表:メンバーのキャラ名やサブのキャラ名が載ってるかもしれません 編集方法:簡単な編集方法とか書いてあるかもしれません 募集テンプレ:公式で募集している文章です
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【名前】 カラテーター獣電池 【読み方】 からてーたーじゅうでんち 【登場作品】 獣電戦隊キョウリュウジャーブレイブ 【初登場話】 KING3「ガブガブリンチョ! 全員集合」 【分類】 獣電池 【ナンバリング】 「28」 【所有者】 キョウリュウジャーブレイブ 【詳細】 獣電竜カラテーターのキョウリュウスピリットがインプットされた獣電池。
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いつも見とるだけっちゅーとは、俺んとってはなんや気持ちの悪かもんたい。 ばってん、気持ちを伝えっとはもっと難しか。 なんや知らんばってん、あいつの事見とっだけで何も出来ん自分が情けなか男に思えてきて、どうしようもなかとよ…… 勇気。 男らしく勇気出せっち、背中ば誰かに叩かれんと、駄目んごたる。 テニスの試合やったらこげんこと無かとに、どうしてこう、上手く行かんとやろか? 不完全燃焼、恋愛模様 千歳千里は仏頂面で窓の外を睨んでいた。 見えるのは学校のグラウンド。 そこで繰り広げられるのは球技大会のソフトボールの試合で、千歳の視線の先には一人の少女がいた。 好きだと気付いたのは最近。 去年九州から千歳のクラスに転校してきたその少女は、熊本出身である千歳と話しが合った。 とは言っても千歳が一方的に話しかけてはそれに少女が答える。という図式ではあったが…… 物腰の柔らかな少女は人懐っこい大阪人とすぐに馴染んだが、それでもどこかしら気を遣っているように千歳は思えた。 自分のように相手が誰であろうと容赦なく九州弁を使う千歳。 逆に方言を使わない少女は、千歳と話す時だけは方言を使う。 おかげで少女との壁が他の連中より薄い気がして、少しだけ自分が特別な存在かもしれないと何となく嬉しかった。 高校3年になってクラスが分かれ、以前のように話す事も少なくなった最近、千歳は寂しさを感じていた。 寂しいと気付くのにも多少時間が掛かったが、少女が近くにいない事が原因であると気付くと、自分の思いを自覚するのは早かった。 千歳の知る限り、少女には特別な男の存在。つまり彼氏はいないようだが、実際は分からない。 表立って目立つ存在ではない彼女の事が普段の友人との会話で出て来る事もなかったし、千歳から話題をふる事もしなかった。 たまに廊下で会った時に短い会話をする程度。 それが楽しくもあり、悲しくもあった。 お、次んバッターたいね。 グランドの少女は金属バットを握って何度か素振りをすると、バッターボックスへと入って行った。 痩せている訳でもなく、かといって太っている訳でもない少女。 やたらと背の高い千歳と並ぶと親子みたいだが、身長も全国女子高校生の平均くらいはあるだろう。 焦げ茶色の長い髪は、いつも控えめに一つに結んでいた。 言うなればごくごく普通の、どこにでもいる女子高生。 ピッチャーがセットポジションからウインドミルでボールを投げる。 ッキーン!! タイミングよく弾かれたボールは高く打ち上がり、今まで暇そうにしていた外野を守る女子は慌てふためいていた。 少女は猛ダッシュで一塁へと向かう。 転がるボールを急いで追いかける外野。 しかし焦れば焦るほど上手くボールが掴めない。 もたつく間に少女は悠々と三塁ベースでピースサインを披露していた。 運動神経はなかなか良い。 チームメート達から拍手喝采を浴びて、少女は嬉しそうに笑っている。 楽しそうな少女の姿を見れば見るほど、千歳は寂しさがこみ上げてきた。 「千歳~、お前こんなとこにおったんか。ええ加減体育館行かんと、そろそろ出番やで?」 「ああ、今行くたい」 教室の入り口からクラスメートが声をかける。 千歳はもう一度グラウンドの少女を見て、教室を後にした。 背が高いうえにテニスでは全国大会に出場するほど運動神経の良い千歳は、球技大会ではあちこちから引っ張りだこだ。 今回どの球技に千歳を出場させるかで危うく傷害事件が起こりそうになったHR中、仲裁に入った担任が公正を期すためにくじびきを行なった結果、バスケットボールに決定した。 のそのそと千歳が体育館に入ると、同じクラスでバスケに出場する友人達に囲まれた。 「いいか! 何があってもボールは全部千歳に回すんや! 千歳に回しとけば大概点入るからな!」 バシッ! 「千歳! 任せたで!」 バシッ! 「お前がおったら百人力や!」 バシッ!! 「……お前ら、ちっと力入れて叩きすぎばい。背中の腫上がるやん」 バシバシと乾いた音が響き千歳が顔をしかめていると、ギャラリーからは女子の声援が沸き起こった。 見ると相手チームがコートに入って来るところだった。 「なんや、千歳もバスケかいな。やりにくいなあ」 「白石」 中学からの同級生で、今でも同じ高校のテニス部に所属するテニス部部長の白石蔵ノ介が笑っていた。 「テニス部の男前対決や!」 「いや、うちの学校を代表する男前対決や!」 「千歳! 白石なんぞいてもうたれ!」 「アホぬかせ、白石はテニス部の部長やぞ、千歳なんかに負けるか。白石、遠慮すんなや!」 「ちょっと! 白石君に怪我させたらうちらが許さへんでっ!?」 「やっかましゃあ、きゃんきゃんウルサい雌犬どもが!」 「誰が雌犬やて!?」 「千歳君にもしもの事があったら、あんたたち覚悟しとき!」 「どいつもこいつも、白石にも千歳にも相手にされんのに色目使いやがって、脳みそ腐っとるんちゃうか~?」 「何やて~! もっぺん言ってみい!?」 バスケの試合が始まる前に、すでに場外で男子対女子の試合が始まろうとしていた。 それを尻目に千歳が笑う。 「ま、お手柔らかに頼むばい、白石」 そしてバスケの試合が始まった。 続く… 勢いで書いてしまった大阪四天宝寺。 意外と千歳の二次小説って少ないのかな? 大阪弁と九州弁のミックスで、苦手な方には申し訳ないです… ですが一話を短く区切ってるので、さらっと読めるかと(笑) 皆様の暇つぶしになれば幸いです! 次へ → 不完〜.2 ブラウザを閉じてお戻り下さいv 四天宝寺中トップへ戻る
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完全なる竜骨(合成用) 竜の中でも王と呼ばれる程の者の大腿骨(合成アイテム) そのまま武器として使えそうな完成度。伝説級の素材だ! 198:完全なる竜骨(合成用) 価格:120000G 使用:- 消耗:消耗しない 特徴 使い勝手・希少性などを記入してください。 コメント 名前 コメント
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完全な海底遺跡の宝の地図 レア度 3 復元された海底遺跡の宝の地図。だが、解読することができない状態 入手先 合成 完全な海底遺跡の宝の地図を合成する やぶれた海底遺跡の宝の地図×4 完全な海底遺跡の宝の地図から合成する 完全な大砂海の宝の地図×1+解読の書×1=神秘トカゲの舌 情報お願いします 名前 コメント すべてのコメントを見る
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